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sea to summit2014 DAY7
2014-08-15 Fri 18:58
 睡眠は十分とれた。起床は0300。この日も朝食は小屋の弁当。前日の失敗を糧とし、出発前に完食。ガスターとビオフェルミンもぬかりなく。空はまだ暗い。しかし、快晴の下、満天の星空。東には僅かに明るさを帯びた漆黒と紺碧のグラデーション。最終日にして最高の天候。昨日に続き、天佑我にあり。ヘッドライトの明かりを頼りに奥穂高岳の登りに取り付く。既に何名かの先行者が登っている。しかし、私はここで急ぐ必要はない。奥穂高登頂以降の馬の背通過時に太陽の明かりが必要なため、ここはゆっくり登って身体を温めつつ、奥穂高山頂で日の出を迎える算段。あせらず一歩一歩確実に進む。
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 しかし、先行者に追いついてしまった。ガイドと奥様達の先行パーティは休憩に入り、私に先に行くよう便宜を図ってくれた。礼を言って先に進む。程無くして奥穂高岳山頂。まだ周囲は暗い。山頂直下の岩の陰で風を避けながら明るくなるのを待つ。周囲の景色が秀逸であり、待っている間も飽きる事はない。何か別世界にいる錯覚さえ覚える。徐々に登頂者が増加し、次第に空が明るさを増す。岩場はまだ暗いため行動を開始できないが、他の登山者達は奥穂高岳山頂で日の出を迎えるようだ。と、先程のガイド&奥様パーティーが西穂に向うルートに進んでいった。マジかよ!まだ暗いのに奥様いっちゃうのかよ!ガイド攻めるな。私は明るくなるのを待った。少なくとも足元の岩がライトなしで判別できる程度に明るくならない事には行動できないと考えた。奥様方には先行してもらい、どこか安全なところで追いつく事にした。
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 0420、岩石の輪郭もはっきりしてきた。そろそろ頃合いだろう。意を決して西穂高岳へのルートに乗った。折り重なるように続く巨大岩石群。河原に横たわっている巨石よりも数倍・数十倍の大きさがある岩の上を歩いていく。勿論、その岩の左右は切れ落ちており、両側とも何百mも続くガケだ。その巨石が段々先細り形状となり、いよいよ馬の背に入った。馬の背と名付けられたこの箇所は、文字通り馬の背中を首側から尻尾側へと進んで尻尾から数m下にある岩に降りる様な形状をした難所である。左右が完全に切れおちており、最後の馬の尻尾から馬のかかとに下りる箇所の足場が見えず、見えない岩に見当をつけて脚を下ろす恐怖の場所。私にとっては7年前に通った記憶から、これまで通ってきたどの登山道よりも死の恐怖を直結させる難所中の難所だった。そんな箇所でも今回は落ち着いていたのか、尻にあたる場所に足場を見つけて確実に下りることが出来た。今回のルートで最も事故を心配していた場所。無事クリアできた事で自信を持って次の箇所へ進むことが出来た。
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 次の難所に向う間、奥様方に追いついた。彼女達は再度道を譲ってくれ、先行させてもらう事となった。ガイド・奥様共にメット・ハーネス・ロープとフル装備だ。そう言えば、岩場でのメット率が超高かったな。槍の頂上行くのにも皆メット被ってたし、大キレット通るときも皆被ってた。岩場歩きするにはメット装着が常識になったんやろうか?
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 奥様方に礼を言い、先に進む。次は岩場の直下り。傍らには長い鎖が設置してあり。ラペリングよろしく快調に下る。その後もガレ場の登り・巨岩上歩行などバリエーション豊かな難セクションを数々こなし、ジャンダルム基部へと辿り付いた。岩には「←西ホ」とだけ記載してあり、ジャンダルム頂上に至るルートが明示されていない。西穂が左なら、ジャンダルムは真直ぐ登るんやろうと判断し、ザックを降ろしジャンダルム頂上で必要な物品のみを装備してジャンダルムを直登する。最初は手がかり・足場共に見つけ易かったが、高度を上げるに従いホールドが少なくなってきた。やっぱ正規ルートじゃなかったか。それでも何とか登れそうだったので、ダイナミックなムーブを取り入れて何とか登頂。念願のジャンダルム頂上に到達した。
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 ジャンダルム頂上にはケルンが2つ・標識が2つ設置してあった。登頂記録を撮影し、いよいよ本題へ。高いほうのケルンに歩み寄り、ケルンのてっぺんに親不知から拾ってきた石を載せる。その上からお魚醤油差しで吸い取った日本海の海水を滴下。ジャンダルム頂上が日本海の海水で浸された。あぁ満足。これで今回の登山の目的は全て達成された。
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 万感の思いに浸りながらジャンダルムを後にする。ルートに関しては何の事はない、南側に正規のルートを見つけることが出来た。ガレ場を歩き、安全にザックをデポした地点に戻り、登山を続行する。あとは足元に注意して西穂高岳に辿り付くだけ。西穂高岳からロープウェイ駅まではさほど危険箇所はないだろう。あと数時間の辛抱。
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 これまで繰り返されてきたガレ場の上り下り、鎖を使った直登・直降下、巨岩上歩行をランダムに織り交ぜながら天狗・間の岳を通過。昨晩の爺さんが言っていた天狗のコルの雪渓は一応確認し、爺さんの名誉は立証された。誰もいないルートを存分に満喫し、西穂高岳が近付いた頃、この日最初の奥穂高岳へ向かう登山者とすれ違った。雰囲気の良い中年パーティであり、その中の一人から「暁の超特急!」との言葉を頂戴した。最大級の賛辞に恐れ入った。その後も断続的にすれ違う登山者が増加しだし、西穂高岳に到着するまでに何度か難所待ちをする事となった。これは日程的にも天候的にも致し方ないところ。早朝人が少ない時間帯に難所を抜けておいて良かった。
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0700、西穂高岳到達。ここまで来たら一刻も早く入浴・飛騨牛を堪能したいため、自然と脚が急ぐ。結果、ジャンダルムから休憩なしでロープウェイにしほたかぐち駅まで行ってしまった。西穂山荘も素通り。ただし、西穂山荘からロープウェイ駅までの樹林帯で、すれ違い待ちを嫌というほどさせられた。この日は本当に入山者が多かった様子。0850にロープウェイにしほたかぐち駅に到達し、遂に登山は完了した。これまで歩き続けた7日間の感慨に浸りつつ、売店に向って腹におさめる物を物色する。と、片隅にモンベル商品を扱うコーナーを見つけた。下界に下りるんやで登山靴からサンダルに履き替えたい欲求が強くなる。陳列棚でサンダルを探すが見当たらない。店員さんに尋ねるが、置いてないようですとの返答。失意に包まれ売店を後にし、搭乗口へと向った。
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 搭乗口に赴くと、まだ下り便は出ない様子。それならばと自動販売機でカルピスソーダを購入しようと財布を広げていると、係員が「臨時便発車しまーす!」と突然声を張り上げる。どう言う事や?さっき下りはまだ出んって言ってたやろ?と混乱しつつも速攻で荷物を片付け、ダッシュで下り便に飛び乗った。畜生。カルピスソーダ飲み損ねた。

 下り便は時間も早いためか人はまばら。各人思い思いに景色を楽しんでいる。車窓からは槍~穂高のスカイラインが見て取れる。歩いてきた従走路よさらば。また数年後によろしく。向かいにある笠ヶ岳・南にある焼岳・乗鞍岳も堪能しながらしらかばだいらへ。ようやく到達。完全なる下界。売店でサンダルを探すが見当たらず。外の芝生でモンベル社のスタッフがブースを広げていたので聞きに行ってもサンダルなし。失意に包まれビジターセンターの神宝の湯へ。受付の人にダメモトで聞いてみるが、無いとの事「この辺には売ってないと思いますよぉ」との追い討ちの言葉を頂戴しながら男湯へ向った。
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 神宝の湯は露天風呂のみ。洗い場を期待していたが致し方なし。お湯に浸かってストレッチしてサッパリして着替える。ザックの奥に仕舞ってあった下山時用の服に着替えて再度パッキングをし直す。これからはバス・鉄道の旅となるので、登山時のままと言う訳には行かない。
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 神宝の湯を後にし、飛騨牛串焼きの屋台へ。コレを楽しみに下山してきた。焼きあがるのに時間がかかるとの事で、念願のカルピスサイダーを購入してそのときを待つ。10分弱待った後、ついに飛騨牛串焼きが焼き上がった。やはり旨い!山で粗食に耐えてきた身としては最大級のご褒美だ。カルピスサイダーも最高だ。飛騨牛串焼きにはカルピスサイダーしか合う飲み物は存在しないだろう。
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 存分に舌鼓を打った後、新穂高へ降りるロープウェイに乗車。人生初の第1ロープウェイ乗車。何かめっちゃ小さい。上のロープウェイが2階建てで大きいから、そのギャップが半端ない。不思議な感覚に包まれつつ新穂高温泉へと降りていく。眼下を望むと、駐車場・道路にあふれんばかりの車。路上駐車の数が凄い事になっている。天気が回復した週末やから、みんな笠とか双六とか槍とか西穂に行ってるんやな。それにしても凄い車の数やった。
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 ロープウェイを下車し、新穂高バスターミナルへ向う。数年前に新築された新穂高温泉観光案内所がバスターミナル前にあり、そこで帰路のルートを決める事にした。コンシュルジュさんにバスパンフレットを貰い、ルートを計算する。事前に想定していた名古屋回りは、かなり時間がかかりそうだ。ふともう1冊のパンフレットを見てみると、金沢行きの接続が良さそうな雰囲気。しかし予約制だったため、電話する必要があった。早速電話をかけてみると、直近の便は満席との事。次の1630発の便は空席があったので、それを予約することにした。

 しかし困った。16時までまだ5時間もある。こんな辺鄙なところでそれだけの時間を浪費するのは厳しい。里心が付いた現在、一刻も早く帰宅したい。再度バスパンフレットを眺め、何か言い策はないか練る。。。見つけた。富山便だ。富山便は路線バスであり、予約は不要らしい。接続も悪くなく、1405には富山に到着できると。よし。コレだ。そうと決まったら金沢便の予約を取り消し、富山へ向う算段を確認する。1100新穂高から平湯に移動し、1140富山行きのバスに乗る。心に余裕が生まれ、バス出発までバスターミナル近辺を散策する。横の建物に北アルプス事故地図が置いてあり、遭難に関する情報が細かに記されていた。水上氏山田氏への土産として頂戴し、自宅職場への土産は平湯バスターミナルで購入する事とした。

1100、平湯行きのバスが到着。乗車したのは2名のみ。涼しい車内でゆっくり寛いで平湯バスターミナルへ。ここは信じられないくらい人でごった返していた。上高地行き・新穂高行き・松本行き・高山行き全てのバスが満席状態。それ以外にも観光バスや自家用車が引っ切り無しに出入りしている為、渋滞も大変な有様。平湯がこんなに混んでいるの初めて見た。本当はここのレストランで飛騨牛ステーキ丼を食べたかったのだが、客が多いのと時間がなかったので断念。お土産を購入した際にチップスターとじゃがりこを購入し、昼食とした。

 時間になっても富山行きのバスは来ない。少々焦りを感じていると、アテンダントさんが「富山行きのお客様いらっしゃいませんか~!」と大声で探している。どうやらバスが詰ってしまい、バスレーンに入れない状況だったらしい。声かけに応答し、無事富山行きのバスに乗車することができた。客は私一人。ちょっと拍子抜けしてしまったが、ここから2時間半のバスの旅を満喫する事にした。

 バスは国道471号線に入り、富山方面へ向う。天候は果てしなく良く、車内はクーラーが効いているとは言え汗ばむ。じゃがりこをかじり、チップスターを頬張りながら神岡村へ。ここで時間調整停車し、もう一人のお客さんが乗車してきた。3人を乗せたバスは富山市街へ。何故か眠たくない。これだけ疲労しているのに、バスの中で一睡もできなかった。神岡で乗車した男性が富山空港で下車する姿を見送り、一路富山駅へ。富山駅前で降ろしてくれるのかと思ったら、離れた交差点で降ろされた。灼熱の市街地を歩く苦痛。北アルプスが早速恋しい。改装中の富山駅に何とか入り込み、福井行きの切符を購入。丁度時間良く来る様子。売店でパンを2周類購入し、改札を抜ける。が、改装中だけあって目的のホームが遠い。思いのほか遠い。焦る。ここに来てサンダーバードを乗り過ごす事は絶対に避けたかった。最後はコンコースも階段もダッシュで走って何とか乗車。今回の旅で一番疲れたかもしんない。

 このサンダーバードは富山→高岡→金沢→加賀温泉→福井と進む列車。停車駅が多いが仕方ないだろう。周囲は乗客が少なく、余裕を持って座ることが出来た。リクライニングも倒し放題。しかし、やはり一向に眠気は訪れず、車内で眠る事はできなかった。神経が高ぶっていたのだろうか?車両は順調に高岡→金沢を過ぎ、北陸新幹線白山車両基地横を通り過ぎた。凄ぇ。保線関係車両が前部ウニモグや。全部で20台くらいある。こんなにウニモグいらんやろ。つーかウニモグじゃなくてもいいやろ。

 加賀温泉駅をすぎ、福井駅が近付いてきた。手前の北陸新幹線工事現場でもウニモグを発見し一人興奮。1530、福井駅着。見慣れた景色。ホームを出てえちぜん鉄道へ。ちゅーかクッソ暑い。勝山行きはちょっと時間が空いている様であり、待合室で時間を潰す。そこは中高生の巣窟となっており、中年親爺は落ち着かない。ちゅーか中高生恐ぇ。時間となり、勝山行きの列車に乗車。中途半端に席が埋まっており、ザック持参の私は車両隅っこで立ちっぱ。何故か乗車中、丸坊主姿の兄ちゃん2名とバシバシ目が合う。恐いよ丸坊主。

 九頭竜川沿いを走るようになり、郷里の景色となった。小舟渡を過ぎ、保田で停車した後、発坂へ(凄ェ、九頭竜川も小舟渡も発坂も一発で変換できた!)。切符を運転士に手渡し下車。蝉時雨に包まれ荒鹿橋を渡って自宅へ。田園地帯の向こうに白山を望んだ時、無事帰ってきたことを実感した。遠くに見える白山にもたま今度登りに行こう。そう思いながら今回の山旅は幕を閉じた。
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