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sea to summit2014 DAY3
2014-08-11 Mon 06:48
 3日目の朝は急に襲いかかってきた。いや、厳密に言えばまだ3日目にはなっていなかった。2日目の晩、21時頃に睡眠に入り、23時過ぎに暴風により文字通り叩き起こされたのだ。思い出される比良山系での夜。あの時も夜中に強風でテントが潰される勢いとなり、緊急撤収中に無常にもポールが破断したのだった。今晩も同程度かそれ以上の強風であり、風向が一定せず、四方八方からテントを変形させる強風が吹きつける様には緊張を強いられた。ヘッドランを点灯し、不測の事態に備える。

 0時過ぎ、風が衰える気配が無いので、一応、安全確認をと考え外に出る。そこには無常な光景が。フライシートがペグ1本に辛うじて支えられながら、暴風にはためいている。あっぶね。もう少し外出るの遅れてたら完全に飛ばされてたわ。風による体温の低下も洒落にならないので、速攻でフライを再装着し、ペグを打ち直し。テント本体のペグもしっかりベタ打ちしてテント内に引っ込んだ。

 しかし、その後も風が衰える気配が無い。他のテント住人も定期的にテント確認作業に起きてきている。夜はまだ明けない。今回の山行の事を考えれば、できれば睡眠をとりたい。行動時間の長さ・標高の高さ・運動による体力の消耗…何れをとっても身体に対する負荷の大きさが半端じゃない。十分な休息は長期登山の鉄則だ。しかし、安眠を確保できない今、TJARの様に夜間行動をとって行程を進めるのも一つの方法と言える。しかし、ここから先の行程は難所といわれる不帰キレット。平穏な昼間に通るにも細心の注意と万全のコンディションが要求される急峻な岩峰の数々。事故が多く発生している箇所でもあり、この様なコンディションで夜間行動するのは自殺行為に等しい。。。思い悩みつつ、テント内で天候の回復を願った。

 0200、天候の回復が期待できなくなり、夜明け時間も徐々に近付いてきた事から、撤収作業に取り掛かった。この時の撤収は迅速であり、比良山系での緊急撤収の経験が大いに役立った。ザック内に装備を一通りブチ込み、テントを出た後は速攻でフライ収納・ポール抜去・ペグ抜去・テント収納と流れるように撤収が完了した。その後、天狗山荘へと移動。今回、非常に幸運に恵まれたと感じたのは、天狗山荘に立派な自炊小屋があった点だ。自炊小屋は夜間でも施錠されておらず、パッキングを完了した後、夜明けまで時間を潰すのに最適の空間だった。

 0300、まだ夜明けの気配が感じられない深夜だが、この日のルートの厳しさを考えこの時間に自炊小屋を出発。ありがとう天狗山荘。イレギュラーな使い方をしてしまって御免なさいと心で呟いて山荘を後にした。が、稜線に出ると小屋周辺の比ではない暴風。風の壁が身体に打ちつけ、強大な圧力で押し返してくる。こいつぁ無理だ。自炊小屋へ戻る。0430、再度出発。しかし、稜線で同じように押し返されて再び自炊小屋へ。やばい。かなりヤバイ。まだ3日目の不帰キレットを前にこの足踏みは致命的にやばい。こんな場所で時間を無為に浪費する訳にはいかない。気持ちが焦る。大いに焦る。0500、テントで泊まっていた親爺さんがテントを抱えて自炊小屋へ避難してきた。ほうほうの体で撤収してきたらしい。親爺さんと昨晩の暴風について愚痴りあっているうちに、数名の登山者が不帰キレットの方に進む姿が見えた。行けるかな…でも、あの風じゃ危険すぎるな…と考えているうち、親爺さんはテントをたたみながら不帰キレットに向うと私に告げた。そうか。親爺さんも行くのか。意を決した。エリアには数名の登山者が入っており、風と霧は凄い物の、明るさは確保されている。よし、行こう。皆が行けるなら自分も行ける筈だ。
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 0530時、三度天狗山荘を後にする。濃霧に包まれながら風に煽られ不帰キレットを目指す。前方に3人パーティがいたが、進むべき方向を見失っているようだったので、登山ルートを指し示す。先ずは天狗の頭までの行程だ。難所までのウォームアップ箇所といったところ。天狗の頭に到達すると、そこからは天狗の大下り。ガレ場の下りであり、落石やスリップの危険が付き纏う。幸い前後に人がいなかったので、他人の落石を気にせず進むことが出来た。下りきったところからは不帰キレット本番。切れ立った岩峰が幾重にも連なり、その岩頂を時に巻き時に登り詰めつつ唐松岳へと繋がる。危険箇所には鎖やアンカー、梯子などが設置してあり、不測の事態に陥らないよう最低限の整備がなされている。
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 風は収まらず、視界もさほど利かないコンディションだったが、私の身体は軽かった。計画当初は難所での渋滞を懸念していたが、朝イチに入った事もあり、自分のペースで快調に進めることができた。睡眠不足の割には、さほど影響を感じることはなかった。0720、唐松岳到達。視界が利かないので通過し、頂上宿舎を目指す。程無く頂上宿舎に到着し、ザックダウン。丁度、北アルプス遭難対策協議会(遭対協)の隊員さんがいたので、これから先のコース状況を確認する。曰く、風が強く天候は良くないが、不帰キレットを渡って来たのであれば大丈夫だろう。五竜岳・鹿島槍はストックを使う箇所は無いので、そのままザックに納めたままが良い。との事。隊員さんから肯定的な言葉をかけてもらい、熱い心を胸に頂上宿舎を後にした。

 ここから先は今まで一度も脚を踏み入れたことの無い山域。五竜岳~鹿島槍ヶ岳は難所が続く縦走路として知られており、休むことが出来る山小屋も限られてくる。厳しい行程だが、脚を止める事は許されない。出発の時点で1時間半のタイムロスを喫している以上、躊躇無く先を急がなければならない。とは言え、五竜山荘が近付いてくると天候が回復してきた。晴れ間が見えるわけではないが霧は晴れ、風もさほど強くなくなった。やっと気が休まると思った0830五竜山荘到着。ここで食事をと考えていたが、困った事に軽食提供時間前なので、食事にありつくことができない。仕方なくベンチに戻り、パンをパクつきながら思案。(思ってたよりも行程が速く進んだでな。予想外のアクシデントやけど仕方ないやろ。次のキレット小屋まで3時間前後か…。難所続きのところやけど、そこで昼メシ喰うことにするか)。思い立ったが吉日、パンを歩きながら喰うことにし、速攻でザックを背負い五竜岳を目指した。
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 五竜岳への登りでは先行パーティが苦戦していた。岩稜歩きは慣れていないのだろう。安全が第一だ。焦る事なく間合いを取って歩き、一緒に五竜岳に到達した。五竜岳からは単独行動。難所らしい岩場も連続し、気を抜く暇も無い。だがそれがいい。空腹に悩まされ始めた頃、キレット小屋に到着。ようやく安堵できる瞬間だった。
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 キレット小屋に入ってみると、食事提供はカップ麺のみ。軽食喫茶の類はなし。場所柄仕方ないだろう。どん兵衛とカップヌードルを注文し、待っている間ペプシを飲み干す。カップ麺が出来上がり、喰いながら今後の行程を計算した。(この時点で1100。できれば新越山荘まで進みたいが、夕立などを考えると、冷池山荘か種池山荘宿泊が妥当。まだアップダウン続くしな。無理せんと行けるところまで行って決めよう)。昼食を平らげ、人影少ないキレット小屋を後にした。
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 エネルギー補給が完了したためか、体の動きにキレが戻ってきた。難所も終わったので、ダブルポールでリズム良く進む。と、鹿島槍北峰を通過。想定していた時間よりも60%も速い!どっかにワームホールでもあるんか!?!驚きつつも先に進む。その後も快調に峰々を越え、爺ヶ岳~スバリ岳の稜線が見えてきた。冷池・種池の各山荘も見て取れる。思いのほか近い。これはもしかしたら新越山荘までいけるか?よし、行こう!天気が何日持つか分からん今、少しでも行程を進めていこう!
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 冷池山荘 - 爺ヶ岳 - 種池山荘と息つく間もなく進み、ようやく最後の1ピッチ。予定では1時間40分程度で到達するはず。しかし、種池山荘からのアップダウンは思いの他多く、ペースは全く上らなかった。それでも集中を切らす事無く歩き続け、1600新越山荘に到着。長く感じた1日だった。2つのキレットを越え、後立山の主峰群を踏んだこの行程は、感慨深かった。今回の山行のハイライトと言っても過言ではないだろう。ともあれ、心身とも無事に宿泊地に到着できた事に感謝した。
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 さて、振り返ってみれば登山歴20年を超えた自分だが、営業小屋に宿泊するのはこれが初めてだった。中学生の時などに白山室堂に泊まったことがあるが、白山室堂は山小屋とはちょっと違うだろう。帳場に行って宿泊手続きをお願いすることは新鮮だった。山小屋の夕食というものに憧れていたので、何が食べられるか期待で胸が膨らんだ。翌日の朝食については早立ちのため、おにぎりにしてもらった。つつがなく宿泊手続きが完了し、部屋へと案内される。比較的新しそうな小屋で、収容人数にも余裕があった。私が泊まる部屋は8人部屋で、他の皆さんは既に到着し、私は隙間にお邪魔する形となった。早速着替えや小物整理などを終え、一息つくことができた。部屋の中は静かだ。何かイメージと違う。もっと皆が談笑しているモンなんじゃないか?等と考えていたが、静かな雰囲気も嫌いではないので、ありがたく仮眠をとらせてもらった。

 束の間の仮眠の後、夕食タイム。待ちに待った時間だ。これと言って変わったものはないが、山で食べるには満足な献立。魚のフライがメインだったのは残念だが。それでも完食。山で好き嫌いなんて言ってられない。御飯・味噌汁もお代わりし、明日に向けたエネルギー補給は完了。大変満足でございました。

 テレビで天気予報を見て明日以降の行程を考える。明日以降、日中は晴れやすいが夕立が多いとの事。行動時間の切り上げが問題やな。あと、テント泊じゃなくて小屋泊まりに変更する事も想定せにゃ。。。などと考えながら部屋へと向う。布団を敷きなおし、明日の出発の準備を整えて横になる。左側にいる爺さんはしきりに柱が邪魔である事をアピール。誰にアピってんだか。この爺さん、夕食中も盛んに小首をかしげて食事内容に不満をアピっていた。決して大きな声では言わず、小声でブツクサ言うあたり腹立たしい。文句あるなら喰うなよ。自分でメシ持って来い。
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